機械工学科の近況
機械工学科長 西田 友久
今年度より機械工学科長を仰せつかりました西田(M12)です。大賀前学科長を始めとする経験豊富な教授陣に支えられ、学生の教育に従事したいと思いますので、宜しくお願い致します。
機械工学科の近況についてお知らせ致します。
この3月には42名の学生が5年間慣れ親しんだ教室から元気に巣立って行きました。4月には1年生43名、3年生留学生1名、4年生編入学生3名が桜前線とともに希望に満ちて入学してきました。また、機械工学科の総勢は上述に加え2年生43名、3年生49名、4年生43名、5年生38名の計216名です。
学科ガイダンス(学科長が新学期に機械工学科の全学生に学科の方針等を説明する)において、1・2年生には1)交通事故死ゼロ、2)将来の目標(夢)と身近な目標を決めて卒業時の進路を意識してほしい、3)機械工学科に於ける“もの作り”の魅力、4)本学科卒業予定者進路先等の話をしました。3~5年生にはこれらに加えて5)機械工学科の教育目標、6)カリキュラム編成や変更、7)JABEE認定基準等々についても説明致しました。特に、下級生のうちから自分の将来(夢)を意識して学力の向上に励み、4年次のインターンシップ、工場見学や就職懇談会等を参考に(会社名や大学名にとらわれることなく、やりたいことを考えて)進路を決定するよう伝えております。
今年の5年生は38名(内、女子1名)のうち、21名が就職、17名が進学を希望しており、就職希望者は9月初旬までに内々定(新日鐵、鈴木自動車、三菱重工、YECなど)を、進学希望者はこれまでに16名が沼津高専専攻科や大学(豊橋技科大、長岡技科大、金沢大学、筑波大、岡山大、静岡大など)への合格が決定しております。機械工学科に対する求人希望社数は約520社(昨年度300社弱)であり、機械技術者のニーズが高まり、高専生にとっては大変有利な条件となっております。これは先輩諸氏のご活躍により、高専生が高く評価されているものと、深く感謝致します。職種内容は機械の研究・開発・設計、生産技術、品質管理などで、さまざまな場で活躍するチャンスがあります。また、就職活動の時期は早まっており、採用試験は例年5月連休前後からですが、今年度は4月初旬から始まっており、各社優秀な新入社員の早期獲得を目指しているようです。しかし、企業は誰でも採用するということはありません。その理由としては基礎学力、バイタリティおよびコミュニケーション能力の不足等が挙げられ、付け焼き刃の知識では対処できません。それ故、“学問に王道はなし”と言われる通り、「授業やクラブ活動等に対する日々の努力により、実力を身につけることが大切」と学生に指導しております。
専攻科につきましては、4名の内2名が大学院(静岡大、長岡技科大)、2名が就職(日立製作所、三洋化成工業)といずれも1次試験で合格致し、専攻科生に対しても高く評価されていることが伺えます。
機械工学科教員はここ数年で大きく変わり、その動向をご報告致します。今年3月には柳田武彦元教授が定年により退職致しました。先生は本校において10年間にわたり熱力学に関する講義・実験で熱弁を奮われ、その間5年間機械工学科主任を務め、さらには、空手、弓道やロボコンの部活動も熱心に指導して戴き、機械工学科のみならず本校にとっては貴重な存在でした。本当にご苦労さまでした。そして、有り難うございました。さらに、超ベテラン3名もここ数年で定年を迎えます。黒下清志教授は来年度3月、岩谷隆史教授と大賀喬一教授は再来年3月の予定(ただし、定年延長の可能性はあります)です。また、小林隆志教授は、海外の教育制度の調査・研究のために、文部科学省海外先進教育研究実践支援プログラムを利用して、米国のアクロン大学に2004年3月から10ヶ月ほど研修に出向いていただき、その間の5月に米国圧力容器研究会議(PVRC)から貢献賞を頂いております。世界の舞台でも大いに活躍されておりますこと、大きな喜びでありますし、大きな誇りでもあります。
機械工学科教職員一同は機械工学科学生の資質向上に邁進していきますので、先輩諸氏の温かなご支援・ご協力の程、なにとぞ宜しくお願い申し上げます。また、ご子息やご親戚の方で“もの作りや機械いじりの好きな中学生”がおりましたら、どうぞ機械工学科への進学をお勧め下さるよう重ねてお願い申し上げます。