電気電子工学科の近況

電気電子工学科長 高橋 儀男

 まず、電気電子工学科の近況をお知らせします。平成18年度の電気電子工学科は、学生数が1年:40(3、佐藤誠:教養科)、2年:42(0、渡辺志保美:教養科)、3年:42(2、西村)、4年:43(2、加藤賢一)、5年:40(3、高野)、専攻科は、1年:5、2年:3の現員です。ただし、括弧内は女子学生数と担任。4年生43名のうち2名は、工業高校から新しく迎えた編入生です。5年生の編入生は3名です。3年生と5年生にはマレーシア政府派遣の留学生が1名ずつおります。職員は、教員11名、技術職員(技術室所属)3名の計14名です。このうち、2名の教員と1名の技術職員は4月より着任されています。それは、この3月で30数年本学科に勤められた大ベテランの濱屋、平林、若松の3教員が定年により退職され、また、技術職員の大井さんも都合により同時に退職されたからです。これらの方の後任として、NTTの研究所より、光エレクトロニクスを専門とする佐藤教員、名古屋大学より固体物理学を専門とする卒業生の大澤教員(E30)を迎えることが出来ました。また、原田技術職員が電気電子工学科担当となりました。教員は1名欠員となっていますが、最近1名の画像処理を専門とする若い先生(30歳)の採用が決まり、2007年3月1日着任予定です。

 5年生の進路は、就職が20名、進学(大学、専攻科)が20名でした。本科生の就職と進学希望者の割合は、過去10数年ほぼ5割ずつです。専攻科2年生の学生は3名とも就職です。5年生、専攻科の2年生は、就職希望者全員の内定が決まっています。今年度は、来年度から団塊の世代の退職が始まるためと、景気が比較的よくなったために求人数が多く、求人のため直接訪問を受けた企業は140社を超え、書類送付のみを合わせると500社ほどとなっています。進学に関しても、7月を中心に多くの大学で編入学試験が行われ、希望者全員の進学先が決定しています。なお、具体的な進路先については、電気電子工学科のホームページhttp://www.denki.numazu-ct.ac.jp/に近く掲載予定です。

 以上、学科の近況と進路状況の概要を述べましたが、最後に電気電子工学科の新しい試みの一つを紹介します。

 近年、教育は「教える教育」から「学びを支援する教育」へ転換すべきであるとの教育観が理解されつつあります。そのような理念に基づく教育方法にPBL(Problem Based Learning)の手法があります。PBL は、プロジェクト課題を学生にグループ単位で与え,その課題を達成するためのアイデアの創出,計画立案,実現等を学生自身に遂行させるものです。これにより、学生の学習意欲、知識の活用能力、計画立案・遂行能力、ディベート能力、プレゼンテーション能力、組織運営能力等の向上を目指すものです。従来のE4の前期実験にこのような方法取り入れ、改変しました。具体的には、クラスを6 名ずつ7 つのグループに分け、通信回路または電力制御回路をどのグループも独自に製作する、節目ごとに報告書を提出させ、発表会も実施する、最終発表会の際は、それぞれの回路の動作状況も示す、なお、各報告書毎に執筆責任者を決めるものの、全員でアイデアを出し合うことを強く指導するという内容です。他学科、他高専ではすでにPBL的なカリキュラムを取り入れているところもあるようです。本電気電子工学科は始めたばかりで、まだ試行的な試みですが、期待しており、順次成果を確認しながら進めていくつもりです。今年度はすでに9月に発表会を行って、いくつかの問題点も分かり、次年度はこれらを反省点として続けていく予定です。また、低学年にも同様に簡単な製作実験を取り入れていこうと考えています。

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