高専祭（同窓生による企業展示）

同窓会50周年記念事業の一環として、去る11月3日・4日沼津高専祭にて「卒業生による企業展示」を開催しましたのでその報告を致します。

高専5年生の初旬は誰もが“進路選択”という一生の岐路について真剣に悩み、学生からは「将来何をするのかわからない。できれば卒業生の話を聞きたい」、保護者からは「会社の名前や製品は知っているが、具体的な仕事内容がわからないので子供にアドバイスができない。」などの要望が挙がっていました。一方、沼津高専同窓会では平成29年に創立50周年を迎えるにあたり記念事業の内容が検討されていました。そこで記念事業の一環として同窓生が中心となる企業展示を考え、在校生と卒業生との交流の場を設けることを試みました。

この企画は“就職説明会”ではなく、卒業生が“ものづくり”へのかかわりについて、技術者志望の若い学生諸君や保護者等に伝えることや、就職や仕事に関する学生からの質問にそれぞれの経験から直接答えるものとし、その展示内容は、会社概要・卒業生の仕事内容・卒業生の役職・主な製品などで、説明者は全て卒業生にお願いしました。

実施にあたっては、まず昨年度3月初旬に展示会場として本校第二体育館を確保し、こののち卒業生が10人以上在籍する県内企業25社を候補とし、5月初旬から同窓生を中心に展示の可能性について企業に打診しました。

企画・運営は、各学科のOB教員から各学科1名ずつ、OB事務職員2名、同窓会役員2名、近隣企業に勤務するOBの4名を含めた計14名が「企画展示委員」として行いました。

高専祭では24企業の展示ブースが体育館一杯に並び、２日間で1500名を超える来場者で会場は賑わいました。説明者は本校卒業生総勢100名が務め、学生、保護者、一般来場者は製品やパネルを前に熱心に説明を聞き入っていました。

参加企業は次の24社((株)は省略)です。

展示製品は乗用車1台、オートバイ４台、似顔絵描画デモ、電子ホワイトボード、振動試験機等々でした。さらに、同窓会の展示コーナーでは、市川良輔先生が７期生の卒業生に宛てた直筆文章やこれまでの同窓会誌等に加え、上述の企業展示の他に産業界で活躍されている卒業生、個人で起業している卒業生（工業分野のみならず弁理士、会計士、議員、画家等々）によるパネルや製品の展示も行いました。

事後アンケートの結果、「今回の企画が良かった」および「卒業生の活躍を知ることができた」に98％の回答がありました。

また、在校生からは「未来に希望が持てた！」や「将来どのような分野に行けるか良くわかって楽しかった」と前向きの意見が聞かれ、卒業生の話を直接聞くことは将来の職業選択や学習に対する意欲向上に大いに役立ったようです。

説明者と同窓会役員の計60名が展示初日夜に開催した懇親会で楽しい一時を過ごし、情報交換等をすることができました。また、今回の企画は在校生・保護者・同窓生・企業さらには学校にとっても喜ばしいことであるため、来年度以降も規模の大小にかかわらず継続することを考えておりますので、皆様のご支援・ご協力の程、宜しくお願い致します。　
最後に企画展示委員をはじめとし、関係者の皆様に深く御礼申し上げます。

文責　沼津高専　機械工学科　西田友久（Ｍ12）