2006高専祭レポート「社会に役立つ」技術

電子制御工学科2期生 古長谷 稔

高専祭に顔を出してきました。今も変わらず学生たちの笑い声が響くキャンパスは、いいものです。
 15年近く前に、自分が取り組んでいた研究が脈々と引き継がれながら進展している様子に、心が温まりました。
 私は当時、D科で小型知能ロボット(MIRS)の走行制御方式について研究をしておりました。研究室に半ば住み込んで、のめり込ませてもらったのを思い出します。充実した研究ができましたが、ふと我に返ったとき、「果たしてこの技術が世の中の役に立つのか?」
と自問して悶々としたものです。

 ところが、現在、D科が取り組んでいる研究はどれを見ても、すぐに「社会に役立つ」ことを意識しているように感じました。例えば、車椅子タイプの自律走行ロボットは、そのまま介護の現場で活躍できそうでした。介護の世界、防災の世界、あらゆる分野でロボット技術に期待がよせられています。それらニーズに応えようとする姿勢が学生の目を輝かせているように見えました。うれしい変化です。
 長期的な技術開発が高専に向くか向かないか議論があるところですが、少なくとも学生の目が輝くような研究テーマが揃っていることは魅力です。
 沼津高専という世間から隔離された環境にありながらも、視点を現実社会に置き続けるのはなかなか大変なことです。これから益々、高専に対する現実社会のニーズは変化していきます。対応を迫られる中で、社会貢献を志す学生が輩出され続けることを願います。
 ところで唐突ですが、私は、縁あって2007年4月の統一地方選挙で静岡県議会議員に出馬することを表明いたしました。三島市選挙区(定数2)で立候補の予定です。
工業県静岡においても、技術系の政治家は非常に少ないのが現実です。まして沼津高専卒業生としては、県議会への初挑戦のようです。

 若干35歳という年齢ではございますが、「子育て世代だからこそ発言していかなければならないことがある」と強く認識しております。高専卒業後、北海道大学の土木(工学部)を卒業したこともあり、専門は地震防災です。特に巨大直下地震の想定震源域における原子力発電所の運転には大きな疑念をもっています。衆議院議員細野豪志(静岡5区)の公設秘書としての経験や、現職のNPO法人「食品と暮らしの安全基金」企画調査部長という立場で得られた知見を生かし、静岡県に山積みの課題をバッサバッサと解決していく所存です。
 どうかご理解ご協力をよろしくお願いいたします。

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